先日 ロジクール Illuminated Keyboard CZ-900 購入し、使用しはじめてそろそろ一ヶ月経つので、ここらでレビュー。
CZ-900はデザインに凝ったキーボードでもありますが、デザインは好みや利用する場面にも左右されると思うので、この記事では主に 利便性や機能的な面 に着目して書きました。「デザインは気に入ったけど...」って方はぜひ参考にしていただけると幸い。
- ロジクール Illuminated Keyboard CZ-900
- 定価1万円。実勢価格7〜9千円。
キー配列
キーピッチ19mmの日本語配列フルキーボード。ただしかな印字はないので、かな入力者は対象とされていないようだ。
Deleteキーが大きく設計されている のが特徴的で、文章作成時には押しやすくて非常によい。Enterキーが細く設計されていることも相まって、小指で簡単に押しにいける。ただし、利用するソフトウェアによってはInsert/Deleteキーに対となる機能を振り分けるキーバインドがあるため、その場合においては逆に使いづらくなるのではないかと思う。
Deleteキーは大きくてよいのだが、 半角/全角キーと¥キーは細く設計されている点 が気になる。どちらのキーもそれなりにタッチする機会があるキーなので、ときおりここでタイプミスが生じた。これらのキーが細くなってしまったのは、Enterキーを細く設計した弊害なのだろうか。
F1〜F12キーにはFnキーとの絡みでホットキーが割り当てられている。このあたりをカスタマイズするとゲーム用途で活躍しそう。もちろんそれ以外の用途でも、あるに越したことはない。しかし、これら 最上段のキーは小さく(縦が短い)、やや押しづらい という難点がある。スペース的に余裕があるのだから、もう少し大きくてもよかったと思う。
配列の最下段のキートップは膨らんだ曲線形をしている。これはCtrlキーやAltキーと他のキーを同時押しする際に、距離を稼げるように設計されているかな?...僕にはキートップが膨らんでいることの恩恵はあまり感じられなかった。
外観
パームレストはゴム素材でできており、感触は非常に良く、落ち着く。ゴム自体はペラペラなので押すと若干たわむが、キーボード使用中には特に気にならない。パームレスト部分は取り外しができないため、汚れると厄介かも。
キーボード底にはスタンドがついているが、このスタンドの作りが若干脆く、キーボードの上から強い衝撃を受けるとポキッと折れてしまいそう。
接続は無線ではなく、USBケーブルによって行う。ケーブルは右上からの片出し。ケーブル自体は一般的なキーボードのケーブルよりも細く、やや不安に感じた。ただ、キーボードのケーブルには負担が掛かることも少ないので、これでも充分といえば充分なのかもしれない。キーボードにはUSB接続用の端子はない。
CapsLock/NumLock/ScrollLockの表示に癖があり、それぞれオンにするとテンキーの下方にマークが点灯される。デザインは素敵だが、慣れるまで若干わかりづらい。
イルミネーション機能
このキーボードが他のキーボードと一線を画す機能がイルミネーション機能。キーの下にバックライトが搭載されており、特殊な印字加工をされたキートップが透けて光る仕組みになっている。これにより、 暗い部屋での利用も可能 となっている。僕はイルミネーション機能を目的として買ったのではないけれど、実際使ってみると、とても上品に光り好印象。カッコイイ。
イルミネーション機能による利便性について、最も気になった点はF1〜F12キー、PrintScreenキー、Pause/Breakキーにおいては ホットキー表示のみしか点灯しない こと。暗い部屋で使った場合、F1〜F12キーはキーの並びからなんとなく把握できるが、PrintScreenキーは位置がわからなくなりそう。
イルミネーション機能の不具合として、キーボードの接続形態や接続先マザーボードによっては、 PCの電源を落としても点灯状態が継続されたまま になってしまう現象が起こる。これはキーボードからの入力でPCを立ち上げる機能をマザーボードがサポートしている場合などに起こり、 常にUSB給電されてしまっていることが原因 である。僕の場合はCPU切替器を介して接続すると、点灯したままになってしまった。その場合にはPCの電源OFFでもキー入力は受け付けているので(それが原因だからだ)、点灯調節キーで消灯状態にはできる。この現象は利用するマザーボードのBIOSの設定次第で解決できる可能性はある。
打鍵感
キーボードのキーにはパンタグラフ式スイッチが採用されている。
一般的なパンタグラフ式キーボードのキーストロークは2.4〜2.8mm程度であることに対し、CZ-900は キーストロークが3.2mm と深く設計されており、このお陰で他のパンタグラフ式キーボードと較べ、打鍵感はしっかりしている。
キーは 押下圧55g と若干重く、反発が強い。キーに圧力を加えていくと、一定の圧力を加えるまではびくともせず、それを越えたときにスッと沈み込み、柔らかい底打ち感が残る。それと同時にキーからの大きな反発を受け、すぐに次のキーをタッチしにいけるところがよい。僕はこの打鍵感が非常に気に入った。
先述した理由から、パンタグラフ式キーボードで頻発しがちな、隣接キーの誤爆をすることがほとんどない。
僕は Realforce 91UDK-G からの移行であったが、CZ-900の打鍵感は静電式スイッチを採用したRealforce 91UDK-Gのそれと較べても非常によく、高速にタッチすることができる。事実、タイピングゲームで測定してみたところ、Realforce 91UDK-G使用時に較べ20〜30keys/minほどタイピング速度が向上した。
まとめ
変態配列が溢れかえるパンタグラフ式キーボード界の優等生といった印象。やや癖はあるものの、概ね一般的なキー配列を持っている点と、キーの打鍵感がパンタグラフ式スイッチの良い部分を上手く残しつつ、弱点を克服できている点がとてもよい。
どうしてもこのキーボードのウリであるイルミネーション機能に目がいってしまうが、イルミネーション機能を度外視したとしても、充分に価格相応の価値があるキーボードであると僕は思った。
でもやっぱり テンキーは不要 に感じた。テンキーレス版があればなおよし...。